- 高温環境下でも安定した堅牢性を持つGCカラム:最高450℃まで安定稼働
- 柔軟な金属チューブ設計:最小2.5インチまでのカスタムコイル径に対応、限られたスペースにも完璧に設置可能
- 独自のSiltek処理:最高レベルの不活性度を実現、正確で信頼性高いデータ取得が可能
Siltek処理されたステンレス製のMXT WCOT(Wall Coated Open Tubular)型キャピラリカラムが最適な選択肢となるのは、高温クロマトグラフィーなど、カラム破損リスクが高く、フューズドシリカカラムが使用できないような環境です。現場計器、プロセスGC、小型オーブン搭載GCなど、限られたスペースや過酷な条件下でも、Restek MXTカラムは金属の強靭さとガラス並みの不活性度を両立し、安定したパフォーマンスを提供します。
過酷な環境下でも安定した堅牢性を持つカラム
フューズドシリカカラムは、ポリイミドコーティングが長時間高温にさらされることで脆化するため、通常は360℃付近で破損しやすくなります。一方、金属製MXTカラムは堅牢で、固定相によっては最高450℃まで安定的に稼働します。ただし、活性化合物の分析時に懸念材料(不活性化や吸着)となる金属表面が問題となります。この問題に対応したのがSiltek処理です。不活性化されたフューズドシリカカラムと同等の不活性度が達成されました。また、金属チューブと浸透性Siltek処理の組み合わせで実現したのは、プロセスGCや現場計器などの狭いスペースにも最適な、MXTカラムの極小径コイル形状です。これにより、特定の仕様に対応するカスタム品としてコイル径2.5~7インチでの製作も可能となりました(MXTカラムの標準的コイル直径は4.5インチ)。また、MXTチューブを採用したPLOTカラムもご提供可能です。
堅牢かつ不活性度の高いRestekのMXTカラムは、多様なポリマー相で提供可能なため、幅広い用途に対応します。例えば、MXT-1HT SimDistカラムやMXT-Biodiesel TGカラムは、石油・石油化学分野で広く使用されており、多くのASTM Method(日本語準備中)でその信頼性が認められています。さらに、MXTカラムの堅牢性と性能が実証された結果として、彗星に初めてソフトランディングしたロゼッタ探索機のフィラエランダ―に搭載される分析カラムとしても採用されました。MXT-1701カラムは宇宙を旅した初のGCカラムでした。宇宙クロマトグラフィーに関する詳細は、Robert Sternberg博士の独占インタビュー(www.restek.com/Sternberg(日本語準備中))をご覧ください。
現場、精製所、あるいは太陽系の果てでの分析であっても、Restekの金属製MXTカラムは高品質かつ再現性の高いデータを実現できる最高の選択肢です。MXTカラムの実力がどのように発揮されるのか、製品情報や関連資料でぜひご確認ください。
パリ第12大学のLISA(Laboratoire Interuniversitaire des Systèmes Atmosphériques)で宇宙GCチームの責任者であったRobert Sternberg氏は、ロゼッタミッションで使用されたMXTカラムについて次のように述べています。
宇宙ミッション用に採用されたカラムはすべて、振動、放射線、熱サイクル1などの宇宙適格性試験に合格しており、宇宙での使用に耐える堅牢性が実証されました。
Restekは、単なるLISAへのカラム供給メーカーにとどまらず、最初から重要なパートナーでした。LISAの求める独自の科学的目標を達成するために、Restekはカスタムメイドのクロマトグラフィーカラムの開発において、LISAと緊密に連携し、多大な支援を行ってきてくれました。そのため、LISAは宇宙用クロマトグラフィーカラムの研究開発がRestekの協力なしには成し得なかったと考えており、理想的なパートナーであるRestekに深く感謝しています。」
- C. Szopa, U.J. Meierhenrich, D. Coscia, L. Janin, F. Goesmann, R. Sternberg, J.-F. Brun, G. Israel, M. Cabane, R. Roll, F. Raulin, W. Thiemann, C. Vidal-Madjar, H. Rosenbauer, Gas chromatography for in situ analysis of a cometary nucleus IV. Study of capillary column robustness for space application, J. Chromatogr. A, 982 (2002) 303-312.
カスタムサイズも柔軟に対応可能なGCメタルカラム
MXTカラムはお客様のニーズに合わせたサイズオーダーが可能です。プロセスGC、ベンチトップGCなど、用途に応じて最適なカラムをご提案します。各製品ページ(WEB)に記載の標準仕様に加え、さまざまなカスタム構成でのご注文にも対応可能です。
以下に記載したような仕様のMXTカラムをご注文の際は、そのサフィックス(枝番)を追加したカタログ番号をお知らせください(例:MXT-1カラム、内径2.0インチ、ケージなしの場合はカタログ番号71811-274となります)。オンライン注文時は、製品番号を入力した後、特別指示欄にサフィックスを入力してください。ご希望の仕様が見つからない場合は、カスタマーサービスまでお気軽にご相談ください。
・MXT PLOTカラムは標準コイル直径7インチ、11ピンケージ、および「-273」構成のみ対応です。
・外径(OD)は概算値で、チューブ内径やカラム長により異なります。
| カタログ番号サフィックス | MXTコイル仕様 |
|---|---|
| -274 | 2.0″ ID without cage |
| -2740 | 2.0″ ID banded with copper wire |
| -273 | 2.75″ ID/3.5″ OD without cage (fits SRI GCs) |
| -2730 | 2.75″ ID/3.5″ OD banded with copper wire (fits SRI GCs) |
| -2731 | 2.75″ ID/3.5″ OD without cage, 18″ leads (fits SRI GCs) |
| -2732 | 2.75” ID/3.5” OD without cage, 9” leads (fits SRI GCs) |
| -283 | 3.5″ ID/4.0″ OD without cage |
| -2830 | 3.5″ ID/4.0″ OD banded with copper wire |
| -2831 | 3.5” ID/4.0” OD without cage, 18” leads (fits SRI GCs) |
| -272 | 4.5″ ID/5.0″ OD without cage |
| -2720 | 4.5″ ID/5.0″ OD banded with copper wire |
| -6850M | 5.0″ ID/5.25″ OD banded with copper wire |
| -271 | 6.0″ ID/6.5″ OD without cage |
| -2710 | 6.0″ ID/6.5″ OD banded with copper wire |
| -276 | 6.0″ ID/6.25″ OD without cage |
| -2760 | 6.0″ ID/6.25″ OD banded with copper wire |
| -277 | 7.0″ ID/7.25″ OD without cage |
| -2770 | 7.0″ ID/7.25″ OD banded with copper wire |
| -LUC18 | 0.18 mm ID MXT Column in Lucidity Column Cartridge (fits Lucidity miniGCs)* |
| -LUC25 | 0.25 mm ID MXT Column in Lucidity Column Cartridge (fits Lucidity miniGCs)* |
| -LUC53 | 0.53 mm ID MXT Column in Lucidity Column Cartridge (fits Lucidity miniGCs)* |
・MXTリード線は特に記載がない限り36インチです。
*Lucidity miniGC用MXTカラムは30m以下となります。すべて、工場出荷時にカラムカートリッジに接続されています(追加費用がかかります)。
ご希望のカラムが見つからない場合は、カスタム対応も可能ですのでカスタマーサービスまでメールでお問い合わせください。
安定したMXTカラム接続
MXTカラム同様、堅牢なMXT低デッドボリュームコネクタもSiltek処理により活性化合物に対する高い不活性度を実現しています。430℃までの高温下でも不活性層の劣化なく使用でき、熱質量が低いため急激なオーブン昇温プログラムにも対応します。内径0.28mm、0.32mm、0.53mmのカラムに関して、標準接続のほか、「Y」構成(2本のカラムを1つの注入口に接続、または1本のカラムを2つの検出器に接続)にも対応するキットがあります。堅牢で不活性なMXT低デッドボリュームコネクタにより、ガードカラムやトランスファーラインも安心して設置できます。これにより、分析対象成分の完全性を維持する不活性なフローが実現されました。


