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尿中EtG・EtSおよびバルビツール酸類の高速LC-MS/MS分析|マトリックス夾雑物を確実に分離するForce Biphenylカラム活用メソッド

26 Mar 2026

要約: エチルグルクロニド(EtG)およびエチルサルフェート(EtS)は、体内でのアルコール代謝によって生成される物質であり、飲酒を客観的に示すバイオマーカーとして広く用いられています。しかし、これらの化合物は極性が高いため、逆相クロマトグラフィーによる保持が難しく、分析上の課題となっています。また、尿中には分析対象と同一の質量数(同重体)のマトリックス夾雑物が存在するため、正確なデータを得るには、クロマトグラフィーによってこれらを確実に分離することが不可欠です。

本研究では、このマトリックス夾雑物と分析対象とを良好に分離できる高速LC-MS/MSメソッドを開発しました。カラムのプレコンディショニングをおこなう必要なく、EtGおよびEtSをともに保持しながら尿中マトリックス夾雑物を安定的に分離できる、実用的なメソッドを確立することを目的としました。

校正用標準溶液の調製:EtGおよびEtSを合成尿に添加し、50〜1,000 ng/mLの濃度範囲で校正用標準溶液を調製しました。
QCサンプルの調製と前処理:QCサンプルには、腎疾患および肝疾患患者サンプルを含む6ロットのヒト尿を使用しました。ヒト尿は0.1%ギ酸を含む水で20倍希釈した後、ボルテックスおよび遠心分離を行い、上清をForce Biphenylカラム(100 × 3 mm、3 µm)に注入しました。
分析条件:移動相には0.1%ギ酸を添加した水およびメタノールを使用し、グラジエント条件でクロマトグラフィー分離を行いました。

開発したメソッドは、全6ロットのQC尿サンプルにおいてマトリックス夾雑物と分析対象のベースライン分離を達成し、有意なマトリックス干渉は認められませんでした。両分析対象においてr²が0.99以上の良好な直線性が確認され、日内および日間ともに許容範囲内の精度と再現性が得られました。

長時間のプレコンディショニングを必要とすることが多いマルチモードカラムと比較して、Force Biphenylカラムはプレコンディショニング不要で即座に分析を開始でき、全測定を通じて安定した性能を発揮しました。さらに、薬物乱用検査(DOA)や新規向精神性物質を含む幅広い化合物の分析に対応できる汎用性を備えており、カラム交換の頻度を低減できます。

著者 / 執筆者

  • Jared Burkhart is the business development manager for life sciences at Restek with a BS in biology and an ASCP (C) certification. He brings 14 years of experience in LC/MS laboratories supporting both clinical and forensic toxicology, giving him a strong understanding of the analytical and operational needs of these markets. An active member of MATT since 2023 and SOFT since 2025, Jared leverages his technical expertise and industry experience to help laboratories identify solutions that advance their testing capabilities.

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