カシューナッツ アレルギー表示義務化の経緯
- 2025年
1月第7回アドバイザー会議 — 義務化方針の決定完了カシューナッツを「特定原材料に準ずるもの」から「特定原材料」(義務表示)へ移行する方針を発表。ピスタチオの推奨表示品目追加も決定。公定検査法確立を条件とした。 - 2025年
12月第8回アドバイザー会議 — 検査法バリデーション完了完了ELISA法・リアルタイムPCR法・PCR-核酸クロマト法・LC-MS/MS法の全検査法について、国内10〜17機関による試験室間バリデーションが完了。次長通知基準を満たすことを確認。食品表示基準改正案を確定。
出典:[2] - 2026年
4月1日食品表示基準改正・公定検査法 公表✓ 施行済み消費者庁が食品表示基準を改正し、カシューナッツを特定原材料9品目目に追加。「アレルゲンを含む食品の検査方法」を最終改正・公表。LC-MS/MS確認試験法(NH法)にRaptor Inert ARC-18が公定法記載カラムとして明記された。
出典:[1] - 公布後
2年以内経過措置終了(2028年3月31日)→ 完全施行(2028年4月1日)2028年3月31日をもって経過措置期間終了。2028年4月1日以降に製造・加工・輸入される加工食品は新表示が義務。違反は食品表示法違反となる。(根拠:内閣府令第34号 第2条)
出典:[1]
2段階検査フロー
消費者庁公定検査法は、既存の特定原材料8品目と同一の2段階方式を採用しています。[1]
試験室間バリデーション(10機関以上)で基準を満たすことが確認されている。
PCR法(リアルタイムPCR・PCR-核酸クロマト):種特異的DNA配列を増幅して検出。
ウルシ科(Anacardiaceae)
アミノ酸配列一致率
ウルシ科(Anacardiaceae)
これに対し、LC-MS/MSは種特異的なペプチド配列をMRMモードで検出することで、分子レベルでの識別を実現しています。この種特性が、本手法を確認試験として採用する技術的根拠となっています。
出典:消費者庁 第7回食物アレルギー表示アドバイザー会議資料(2025年1月21日)[3]
3つの公定法セットの比較
消費者庁公定検査法では、LC-MS/MS確認試験法として独立した3法セットが規定されています。
各法は前処理・測定・判定が一体化したセットであり、検査機関はいずれか1法を選択して実施します。[1]
| 項目 | NH法 | NS法 | HF法 |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | 内標準非添加・ シグナルノイズ比判定 |
2段階内標準 相対比判定 |
1段階内標準 相対比判定 |
| 前処理法 | pNH法 | pNS法 | pHF法 |
| 試料採取量 | 2 g | 1 g | 1 g |
| 抽出条件 | 37℃、1時間振とう (尿素・チオ尿素・DTT) |
沸騰水浴、10分 (APEX Reagents) |
室温、一晩振とう (ExSta=ELISA用と同一) |
| 消化酵素 | トリプシン | トリプシン | キモトリプシン |
| 固相抽出(SPE) | 陽イオン交換のみ | C18 + 陰イオン交換による二段階精製 | 陽イオン交換 + 陰イオン交換による二段階精製 |
| 公定法記載カラム | Raptor Inert ARC-18 2.7 µm, 3.0×100 mm(Restek) |
メタルフリー C18カラム3 µm, 2.1×100 mm | ミックスモード C18カラム 3 µm, 3.0×150 mm |
| ガードカラム | 記載なし(不要) | 記載あり カートリッジカラム 3 µm, 2.1×10 mm |
記載なし(不要) |
| 流速 | 0.4 mL/min | 0.3 mL/min | 0.3 mL/min |
| 移動相 | A: 0.2%酢酸水 B: 0.2%酢酸/ACN |
A: 0.2%酢酸水 B: 0.2%酢酸/ACN |
A: 0.1%ギ酸水 B: 0.1%ギ酸/ACN |
| カラム温度 | 50℃ | 50℃ | 50℃ |
| 内標準(IS) | 不要 | 安定同位体標識 ペプチド(2種) |
安定同位体標識 ペプチド+外標準 |
| 陽性判定基準 | 全MRMトランジションの S/N比 ≥ 10 |
IS対比面積比 ≥ 1/10 (各トランジション) |
外標準IS対比面積比 ≥ 1/10 (各トランジション) |
| ELISA用抽出液 との共用 |
不可(別途調製) | 不可(別途調製) | 可能 (ExStaを共用) |
出典:消費者庁「アレルゲンを含む食品の検査方法」最終改正2026年4月1日 [1]。”又は同等の結果が得られるものを用いる”の規定により、各法とも同等性が証明された代替カラムの使用が認められています。
食品の加工度やマトリックスに適した前処理法を選択することをお勧めします。NH法の前処理であるpNH法は尿素・チオ尿素・DTTを含む変性剤による化学的抽出が特徴で、たんぱく質が凝集・変性してしまった試料(例:焼成菓子、スナック、ソース類)でも回収率が安定しやすい傾向があります。NH法を基本条件とすることも可能ですが、回収率が悪い場合などは他の条件を補助的に使用することも検討してください。
| 条件 | 抽出方法 | 酵素 | 前処理強度 | 適した試料 |
|---|---|---|---|---|
| pNH法 | 化学変性 | トリプシン | ★★★(強) | 高度加工・難溶性(クッキー・チョコ) |
| pNS法 | 熱変性 | トリプシン | ★★(中間) | 焙煎・ペースト・中加工 |
| pHF法 | 室温抽出 | キモトリプシン | ★(穏やか) | 粉末・素焼き |
HF法の前処理(pHF法)は、公定ELISA定量検査(第1段階スクリーニング)と同一の抽出液「特定原材料抽出液 ExSta」を使用します。これにより、ELISA検査と同一の抽出バッチから確認試験用試料を調製することが可能です。すでにELISAによる食品アレルゲン検査を実施しているラボにとって、LC-MS/MS確認試験の導入障壁が低いプロコルです。ただし、加工度の高い試料で期待する回収率が得られない場合は、pNH法なども検討してください。
Raptor Inert ARC-18
消費者庁公定検査法(NH法)においてLC-MS/MS確認試験の公定法記載カラムとして明記された、食品アレルゲン分析対応UHPLCカラム。
消費者庁「アレルゲンを含む食品の検査方法」(最終改正:2026年4月1日)第2.2.6.4.2.1項において、
LC-MS/MS確認試験法(NH法)の分析カラムとして以下の通り明記されています。「オクタデシルシリル化シリカゲルカラムは、Raptor Inert ARC-18 2.7 µm, 3.0×100 mm(Restek社製)又は同等の結果が得られるものを用いる」
出典:消費者庁「アレルゲンを含む食品の検査方法」最終改正2026年4月1日 [1]
製品仕様
公定法分析条件(NH法)
※アレルゲンを含む食品の検査方法 最終改正2026年4月1日より
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LC-MS/MS専用設計の
独自の化学結合型固定相立体保護リガンドを最適配置する独自の化学結合プロトコルにより酸加水分解を抑制。pH 1.0以下の強酸性移動相においても安定した保持プロファイル・ピーク形状・レスポンスを維持。フェーズブリードを低減し、MSベースラインを安定化。 -
優れた堅牢性0.2%ギ酸含有移動相を用いた連続500回注入後も、標的化合物の保持時間は15秒MRMウィンドウ内を維持。ロット間再現性についても独自QC規格で保証されており、クリティカルなワークフローの長期安定運用に対応。
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Inert表面処理による
ペプチド吸着の抑制ステンレス表面に施したプレミアム不活性化コーティングにより、キレート性を持つペプチド・タンパク質の非特異的吸着を低減。不動態化処理や移動相添加剤なしでシャープなピーク形状を実現し、回収率と感度を改善。 -
コアシェル粒子(SPP)
による高効率分離2.7 µm表面多孔性粒子は固体コアに薄い多孔質シリカ層を持ち、拡散経路を短縮してピーク分散を低減。全多孔性粒子と比較して高い理論段数を提供し、既存HPLCでもUHPLC並みの効率を実現。
カラム特性プロファイル
Column Interaction Profile

Solute Retention Profile

Target Analyte Functionalities:
• Hydrophobic compounds(疎水性化合物)
• Protonated bases(プロトン化塩基)

Raptor SPP コアシェル構造
固体コアを薄い多孔質シリカ層で覆った表面多孔性粒子(SPP)構造。アナライトの拡散経路を短縮しピーク分散を低減。Sterically protected C18リガンドをSi-Oを介して結合。立体保護により酸加水分解を抑制し、強酸性移動相(pH 1.0〜)でも安定した保持を維持。
品番(公定法記載品:3.0 mm × 100 mm, 2.7 µm)
| 製品名 | Cat.# |
|---|---|
| Raptor Inert ARC-18, 2.7 µm, 100 × 3.0 mm | 9314A1E-T |
| Raptor Inert ARC-18 EXP ガードカラムカートリッジ 2.7 µm, 5 × 3.0 mm(3本入、オプション) | 9314A0253-T |
※ガードカラムカートリッジにはEXPダイレクトコネクトホルダ (cat.# 25808) が必要です。
NH法 標的ペプチドおよびMRM検出条件(公定法記載値)
| 標的ペプチド | 配列 | プリカーサーイオン (m/z) | プロダクトイオン (m/z) | カラム保持時間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 標的ペプチド① | ADIYTPEVGR | 560.8 | 557.3 / 658.4 / 821.4 | 約 7.7 分 |
| 標的ペプチド② | LTTLNSLNLPILK | 720.4 | 298.2 / 470.3 / 1011.6 | 約 11.7 分 |
イオン化:ESI正イオンモード(MRMモード)。陽性判定:全トランジションのS/N比 ≥ 10。
注入量は≤ 10 µL推奨。保持時間は使用機器により異なる場合がある。
出典:消費者庁「アレルゲンを含む食品の検査方法」最終改正2026年4月1日 第2.2.6.4.2.1項 [1]
よくあるご質問
カシューナッツ アレルゲン分析の
検査体制整備はお早めに
公定法への準拠、カラム選定、分析条件開発についてRestek株式会社の技術担当者にご相談ください。


