本ガイドは、水、土壌、バイオソリッド、生体組織、食品、大気など各種マトリックス中のPFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)を分析するための、世界各国の規制・規格・ガイダンス文書を地域別にまとめたものです。以下では、地域ごとの現行の規制方法とガイドラインの概要をご紹介します。
こうした複雑さは、最初からあったわけではありません。2009年に最初の標準化された分析法が登場した際に、対象となっていたのは水中の一部の化合物に限られていました。その後、環境試料などから検出されるPFASの種類が増えるにつれ、各国の機関はより多くの化合物やサンプルタイプに対応した分析法を発表するようになりました。
PFAS分析を新たに導入する場合も、既存の分析プログラムを拡張する場合も、以下のリンク先にある分析法とガイドラインの概要は、分析法の比較や適切なワークフローの選定、必要な製品の確認に役立ちます。
カラムや標準溶液、サンプル前処理に関する推奨情報については、「PFAS製品ガイド」をご参照いただくか、Restekの担当者にお問い合わせください。
PFAS分析法開発における留意点
多くのPFAS分析法では、サンプル前処理と固相抽出(SPE)が採用されており、特に飲料水などの水系サンプル中でPFASを濃縮する手法として広く用いられています。こうした標準操作手順やサンプリング方法が、データの信頼性を支え、超微量レベルでの正確な検出を可能にしています。
水系サンプルを対象とする分析法では、抽出効率を高めるための改良が重ねられており、飲料水はもちろん、表層水、地下水、排水といった非飲料水においても、信頼性の高いPFAS検出結果が得られるようになっています。
一方、食品、土壌、バイオソリッド、浸出水、生体試料といった、より複雑なマトリックスを対象とする分析法では、抽出やクリーンアップの手法が異なる場合がありますが、ターゲット分析には同様にLC-MS/MSが用いられます。また、研究やスクリーニングを目的としたワークフローでは、より広範な化合物を評価するために高分解能質量分析(HRMS)が使用されることもあります。
以下では、各分析法について対象マトリックス、分析対象化合物の範囲、分析アプローチを比較できます。
ラボにおける最適な検査ワークフロー構築
PFAS分析を新たに始めるラボも、既存のプログラムに新しい化合物を追加するラボも、適切な前処理手法とワークフローを選び、推奨消耗品を活用することが重要です。前処理の段階では、固相抽出(SPE)などの精密な前処理技術を用いることで、試料中の干渉物質を効果的に除去し、LC-MS/MS分析の精度を高めることができます。また、Restekの無料オンラインツールであるPro EZLC chromatogram modelerを使用すれば、分析法やクロマトグラムのシミュレーションが可能です。
詳細情報とサポート
PFAS規制対応や検査メソッドに関するさらなる情報については、Restekの「PFAS分析のパートナー」をご覧ください。PFAS分析方法に関する国際規制の比較も可能な分析対象PFASの一覧リストや、各規制の分析ワークフローで必要となる消耗品の確認・選択に便利な資料もご用意しています。ご登録いただければどなたでも無料でダウンロードいただけます。前処理製品やカラムなど、推奨される消耗品の概要については「最適なラボ用品の選定ガイド」でもご覧いただけます。
ご質問がある場合、またはPFAS分析についてさらに詳しくお知りになりたい場合は、Restekの「PFAS分析のパートナー」でその他のリソースをご覧になるか、お近くのRestek担当者にお問い合わせください。
米国 PFAS分析方法とガイドラインまとめ(EPA, USDA, FDA, CDC)
米国のPFAS分析法では、LC-MS/MSによるワークフローと明確なデータ品質基準が採用されており、複数のマトリックスと規制プログラムに対応したPFASモニタリングを支えています。これらのFDA、USDA、EPAの分析法は、用途とサンプルタイプに応じて、レガシー(長鎖)PFASと代替型(超短鎖)PFASの両方に対応しています。
米国 大気中の揮発性フッ素化合物分析方法
大気マトリックス中のPFAS分析には、作業環境や周辺環境における揮発性フッ素化合物を捕集・測定するための専門的な技術が必要です。
欧州 PFAS分析方法とガイドラインまとめ
欧州の枠組みでは、加盟国間の一貫性を確保するため、環境媒体中のPFAS分析に関する統一された標準法が重視されています。これには、EU飲料水指令に関連する要件も含まれます。
国際規制のPFAS分析方法とガイドラインまとめ (ISO, ASTM, AOAC)
国際規格は、バリデーション済みの分析手法を用いることで、多様なサンプルタイプに対する国境を越えた比較可能性を支えています。中でもASTM D8421-22は水系サンプルを対象とし、水マトリックス中のPFAS分析に対応しています。
水系および液体サンプル
- ISO 21675:2019: 水中のPFAS分析に使用される標準メソッドです。さまざまな水質サンプルに対応しており、正確な検出と定量が可能です。
- ASTM D7979-20: 水、汚泥、廃水などの分析に適用されるメソッドで、幅広い水系マトリクスを対象としています。
- ASTM D8421-22: 水系サンプルのPFAS分析に関する規格で、飲料水から廃水まで対応可能です。
土壌および固体サンプル
- ASTM D7968-23: 土壌中のPFAS分析を対象とするメソッドで、環境モニタリングに広く使用されています。
革製品
- ISO 23702-1:2023: 革製品中のPFAS分析に対応するメソッドです。規制や安全性評価に役立ちます。
食品および飼料
- AOAC SMPR 2023.003: 食品および飼料中のPFAS分析に適用される規格で、食の安全を確保するための指針となっています。
その他の検査方法とガイドライン
- Restek Corporation, Your partner in pfas analysis(PFAS分析のパートナー), Technical article, GNLP4243A-UNV, 2024. https://www.restek.com/pfas
- U.S. Department of Defense and U.S. Department of Energy, DoD/DOE quality systems manual for environmental laboratories (QSM), Version 6.0, December 13, 2023. https://www.denix.osd.mil/edqw/denix-files/sites/43/2024/01/QSM-Version-6.0-FINAL-Dec-13-2023.pdf
- U.S. Department of Defense, DoD AFFF01 Determination of perfluorooctanoic acid and perfluorooctanesulfonic acid in aqueous film forming foam (AFFF) for demonstration of compliance to MIL-PRF-24385, Rev 1.0, December 10, 2021. https://www.denix.osd.mil/edqw/denix-files/sites/43/2021/12/DoD-AFFF01-Rev-1.0-dtd-7-Dec-2021-1.pdf
- U.S. Environmental Protection Agency, EPA 1621 Determination of adsorbable organic fluorine (AOF) in aqueous matrices by combustion ion chromatography (CIC), January 2024. https://www.epa.gov/system/files/documents/2024-01/method-1621-for-web-posting.pdf
- Michigan Department of Environment, Great Lakes, and Energy (EGLE), General PFAS sampling guidance, January 2024. https://www.michigan.gov/pfasresponse/-/media/Project/Websites/PFAS-Response/Sampling-Guidance/General.pdf?rev=6217442052bf4fedb89bbf786560d645

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