本ガイドは、VOCsや残留溶媒ガスなど、揮発性化合物を溶液中に含む標準品に適用されます。
揮発性ガス標準品の品質を保つには、適切な器具と、取り扱い・使用に関する知識が欠かせません。これらの揮発性ガス標準品は揮発性が高く、不揮発性の標準品と比べて温度や振動の影響を受けやすい特性があります。そのため、校正用溶液を調製する際には、特に慎重な取り扱いが求められます。
本記事では、揮発性ガス標準品の使用に関するベストプラクティスと、分析を円滑に開始するための簡略化されたワークフローをご紹介します。
揮発性標準品の品質を守る3つの基本ルール

激しい混合・振動を避ける

加熱しない

分析対象成分の損失を抑えるため、手早く作業する
ワークフロー例(簡略版)
| 1 | 未開封のアンプルは、使用するまで推奨保管条件下で保管します。揮発性ガス標準品を適切に保管することは、溶液中の分析対象成分の品質を保つうえで特に重要です。 |
| 2 | 揮発性ガス標準品は冷えた状態(0°C以下)で使用します。 平衡化を早めるためにアンプルを加熱すると、化合物の揮発を招くおそれがあるため、加熱は避けてください。 |
| 3 | アンプルを開封する前に、希釈液やガラス器具など、校正溶液の調製に必要な器具をあらかじめ準備します。 開封後は、揮発性ガス標準品の移し替えと希釈を速やかに行うことが重要です。必要な器具を事前に準備しておくことで、効率的な作業につながります。 |
| 4 | 未開封のアンプルは、開封前に静かに何度か上下反転させて内容物を混合します。 使用前に内容物を均一にすることは重要ですが、振動を加えると液体の表面積が増え、揮発が進みやすくなります。分析対象成分の揮発を抑えるため、アンプルを静かに反転させたのち、開封前に数分間静置することを推奨します。 |
| 5 | Restekセーフクラッカーを使用して、アンプルを丁寧に開封します。 |
| 6 | 技術的な正確さを損なわない範囲で、揮発性ガス標準品の移し替え・希釈をできるだけ速やかに行います。 移し替えにはガスタイトシリンジの使用が適しており、揮発の可能性を抑えられます。 |
| 7 | 希釈後は、直ちにバイアルにキャップをしっかりと取り付けます。 静かに何度か反転させて混合します。 |
注:長期的な安定性を保つためには、Mininert Precisionサンプリングバルブ付きのマイクロバイアルを使用し、0°C以下で保管することで、分析対象成分の損失を抑えられます。詳細については、関連記事「Storing and Handling Volatile Residual Solvent Gases in Secondary Containers」(日本語準備中)をご参照ください。
推奨器具
- ガスタイトシリンジ
- Restekセーフクラッカー
まとめ
- 揮発性ガス標準品は温度や振動の影響を受けやすいため、激しい混合・加熱を避け、手早く作業することが重要です。
- アンプルは0°C以下の冷えた状態で使用し、開封前に希釈液やガラス器具などの器具を準備しておきます。
- 開封にはRestekセーフクラッカー、移し替え・希釈にはガスタイトシリンジを使用し、揮発を最小限に抑えます。
- 長期保管が必要な場合は、Mininert Precisionサンプリングバルブ付きのマイクロバイアルを0°C以下で使用します。
よくある質問
揮発性ガス標準品はなぜ低温で保管する必要があるのですか?
揮発性ガス標準品は温度に敏感で、常温では分析対象成分が揮発しやすくなります。0°C以下の低温で保管・使用することで、溶液中の分析対象成分の損失を抑え、品質を維持できます。
アンプル開封後、どのくらい早く希釈すればよいですか?
開封後はできるだけ速やかに移し替え・希釈を行うことが推奨されます。事前に希釈液やガラス器具、ガスタイトシリンジなどの器具を準備しておくことで、開封から希釈までの時間を短縮できます。
長期保管する場合、どのような容器を使用すればよいですか?
長期的な安定性を保つ場合は、Mininert Precisionサンプリングバルブ付きのマイクロバイアルを使用し、0°C以下で保管することで、分析対象成分の損失を抑えられます。


