ペルフルオロアルキル化合物(PFAS)は、環境中に広く存在し、人体への影響が懸念されています。特にC1〜C3の超短鎖PFASはその高い極性により従来の分析手法では測定が難しく、信頼性の高い分析メソッドが必要です(PFAS関連記事はwww.restek.com/PFAS-JPから確認できます)。本記事では、ヒト血漿および血清中の超短鎖PFASを対象としたLC-MS/MSによる高感度分析メソッドをご紹介します。
超短鎖PFAS(C1〜C3)は、長鎖PFASと比較して分子量が小さく、極性が高いため、逆相クロマトグラフィーでの分離が難しい化合物です。環境中での偏在や人体への暴露が増加する中、適切な測定方法の開発が求められています。
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3. PFAS分析の課題と解決策
従来の液体クロマトグラフィーでは、超短鎖PFASの保持が難しいという課題がありました。そこで、極性基内包型Ultra IBDカラム(100 mm × 2.1 mm, 3 µm, (cat.# 9175312))を使用することで、C1〜C10のPFASを高感度で分離・定量することが可能となり、効率的な一斉分析が実現しました。
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4. LC-MS/MSを用いた超短鎖PFAS分析の特徴
- 高感度なLC-MS/MS測定: 極性基内包型カラムにより超短鎖PFASの保持を改善し、マトリックス干渉を低減。
- PFASディレイカラム(cat.# 27854): 測定の正確性を確保するため、システムコンタミネーションを防止。
- 安定同位体標識を用いた内部標準: マトリックスの影響を補正することで、信頼性の高いデータ取得が可能。
Figure 2: 10 ppb PFAS標準試料のクロマトグラム(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
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5. NIST標準参照物質による信頼性の確保
NIST標準参照物質である血漿(SRM 1950)および血清(SRM 1957)は、既知のPFAS濃度を含んでおり、測定精度の評価基準として使用されました。これにより、メソッドの再現性と信頼性が確証されています。
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6. バイオモニタリングでの超短鎖PFAS測定の重要性
ヒト血漿および血清中の超短鎖PFASをモニタリングすることは、健康リスク評価や規制策定に不可欠です。本分析手法は、正確な測定データを提供するため、超短鎖PFASの健康影響に関する理解を深めるのに役立ちます。
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7. ダウンロード資料:LC-MS/MS分析に関するサイエンスレポート
詳細な実験手法やデータについては、サイエンスレポートをダウンロードしてご確認ください。
サイエンスレポートのダウンロードはこちら
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Products Mentioned
PFAS分析|ディレイカラム, 5 µm, 50 x 2.1 mm HPLCカラム
Ultra IBD, 3 µm, 100 x 2.1 mm HPLCカラム
PFAS(有機フッ素化合物)分析用標準品|PFAS 28成分混合 Calibration Standard, 1 µg/mL
Big Mouth Step Screw-Thread Vials with Grad Marking Spot, 2.0 mL, 12 x 32 mm, 10 mm/425 Thread (Vial Only), Clear, 100-pk.
Vial Inserts, Polypropylene, Big Mouth w/Bottom Spring, 250 µL, 100-pk.
Survival Kit for HPLC, Stainless Steel
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Shun-Hsin is a senior principal scientist in LC Solutions at Restek. He received his bachelor’s degree from the National Taiwan University in 1988 and obtained his PhD from Michigan State University in 1996. He performed postdoctoral research at the University of Michigan from 1996 to 2000 for oncology studies. In 2001, he was appointed as research faculty at The Pennsylvania State University and focused on molecular toxicology research. In 2006, he joined MPI Research Inc. as a senior research scientist and was a study director for GLP analytical projects. In 2013, Dr. Liang joined the LC Solutions department at Restek and specialized in developing application methods across the fields of environmental, food safety, and life sciences.
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