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QuEChERSは改良できるように作られたことをご存じですか?

24 Sep 2019

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概要

QuEChERSのサンプル抽出とクリーンアップのアプローチは、もともと含水率の高い果物と野菜の農薬で実証された方法です。しかしこの手法はそれらをはるかに超えた幅広い分析対象とサンプルマトリックスに適用されています。鮮魚中の医薬品や、乾燥茶中の発がん性物質を測定していますか?これらはいくつかの変更を加え、QuEChERSアプローチを分析課題に適合させたケースのほんの一例です。QuEChERSとは特定の方法ではなく、アプローチであり、適切なアプローチかどうかは比較的迅速かつ簡単に確認できます。もしご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。 

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QuEChERSは改良できるように作られたことをご存じですか?食品中の農薬分析に慣れている方なら、きっと「QuEChERS」という名称やそれがサンプル前処理法だということをご存知でしょう。また、様々な組織によって公式なメソッドが公開されているため、QuEChERS法は定型的な処理方法として捉えられがちです。決められた手順通りに行えばよいだけ、というマニュアルのようなもの…実際は本当にそうなのでしょうか?

マトリックスと分析対象化合物がすでに検証済みのメソッドの範囲内であれば、その通りかもしれません。しかし、そうではない場合、QuEChERSはもともと「サンプル抽出とクリーンアップのためのアプローチ」として考案されたものであり、誰もが従わなければならない、決められた手順ということではありません。

QuEChERS法は当初、水分含有量の高い果物や野菜で実証されましたが、その導入後は実に幅広く応用されてきました。鮮魚中の医薬品分析からビール中のマイコトキシンのモニタリング、乾燥植物中の農薬分析に至るまで、です。QuEChERSは改良されることを前提に作られた方法なのです。

例えば、私たちのラボでオレンジの農薬スクリーニング手法を評価していたときも、様々な市販のクリーンアップ製品を迅速に試して、農薬回収率の点で最良のものを、簡単に見つけることができました。さらに、QuEChERSの柔軟性を活かして、果皮と果肉を分けて分析する方法も試してみたところ、回収率が向上し、有効であると確認できました。

研究者たちはQuEChERS法の適用を水分含有量が高いものに限らず、広げていっています。ポテトチップスのような乾燥した試料の場合はどうでしょうか?分析対象成分の分配に、水分は極めて重要です。そのため、水分が十分でない試料には、水を加えさえすれば適用可能です。また、脂肪の多いマトリックスにQuEChERSを適用しようとした際にはクリーンアップ用に新しい材料を検討し、ヘキサンを使って試料から脂肪を除去する技術を試しました。​

では、乾燥茶葉中の発がん性物質PAHを調べたい場合はどうでしょうか。この場合、PAHの回収率を向上させるために抽出溶媒そのものを変更することさえ可能です。このような例が示すように、QuEChERSは迅速(Quick)、簡単(Easy)、安価(Cheap)であるため、柔軟に異なる選択肢を試して、アプリケーションに最適な方法を見つけることができるのです。

いかがでしょうか。QuEChERSは改良できるように作られています。遠慮せずに、科学者の幅広いコミュニティに参加してみてはどうでしょうか?彼らは、ニーズに合うように変更することで、QuEChERSを自分のものにしています。もしなにかご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。QuEChERS法についての詳細は、www.restek.jp/QuEChERSへアクセスしてください。

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  • Restek Corporation

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