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適切なQuEChERS dSPEの選び方

16 May 2018

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概要

QuEChERS(迅速(Quick)、簡単(Easy)、安価(Cheap)、効果的(Effective)、頑健(Rugged)、安全(Safe))は、強力で柔軟なサンプル前処理手法です。よくあることですが、抽出物には望ましくない成分が混入する可能性があります。分散固相抽出は、このような抽出物のクリーンアップによく使用されます。サイズ、吸着剤の種類や吸着剤の量など様々な構成のものがあります。ここでは、最適な選択をおこなう方法についての情報を共有します。

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こんにちは、Restek Tipへようこそ。ここでは、分散固相抽出(dSPE)についてお話しします。QuEChERS法による抽出を実行したなら、次に必要なのは、抽出液をクリーンアップすることです。このクリーンアップで使用するのが、分散固相抽出(dSPE)です。では、どのdSPE製品を選択すべきでしょうか。dSPE製品は主に、チューブサイズ、チューブ内吸着剤の種類、そして吸着材の量によって分類されています。選択肢が多いため、どれを選択すべきか迷われるかもしれません。

まず、チューブサイズの選び方では、クリーンアップ後の抽出液をどう使うかがポイントになります。抽出液1本で分析を1回しか行わないなら、小型の2 mLチューブで充分です。一方で、複数回の分析に使用するなど、クリーンアップ後の抽出液を分ける必要があるなら、大きめの15mLチューブを検討するのが良いでしょう。最終容量を十分に確保できるからです。

次に、クリーンアップ用の吸着材の選び方です。お気づきかもしませんが、すべてのdSPE製品には硫酸マグネシウムが含まれています。これは、QuEChERSによる抽出後、抽出液に残っている可能性のある残留水分を除去するためです。

では、吸着剤の種類はどう選択すべきでしょうか。それは試料の種類で決まります。対象試料に、糖類、有機酸、脂肪酸が含まれている場合、第一級第二級アミン吸着剤(PSA)を含むdSPE製品が適しています。PSAは、対象試料からそのような成分を効率的に除去します。また、対象試料が、脂肪やワックスを多く含む高脂肪試料の場合、このような成分を除去するために、非極性のものが必要となります。それには、C18官能基でコーティングされたエンドキャップ済みシリカ(通常C18吸着剤と呼びます)が最適です。

最後に、対象試料に色素が多く含まれている場合です。抽出液には濃い色がついてしまっています。分析前に色素を除去したいはずですが、これにはグラファイトカーボンブラック(GCB)が効果的です。このように、異なる性質の成分がどれだけ試料に含まれているかによって、特定の吸着剤を増減させる必要があります。何が良いか判断できない場合は、まず試してみることです。これはQuEChERS法の優れた点でもあります。何種類かの製品を試してみて、試料の効果的なクリーンアップを実現し、かつ分析対象成分の回収率に悪影響を及ぼさないものを選ぶことをお勧めします。QuEChERSによる抽出とクリーンアップの成功を願っています。Restek Tipをご覧いただきありがとうございました。

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  • Restek Corporation

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