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概要
QuEChERS(迅速(Quick)、簡単(Easy)、安価(Cheap)、効果的(Effective)、頑健(Rugged)、安全(Safe))前処理法は急速に普及しました。もともとは、食品中の残留農薬分析に使用されていましたが、この手法はその他の多くのマトリックスにも適用されています。ただし、適切な抽出塩の選択はどうするかなど、難しい問題もあります。ここでは、最適な選択をするための情報を共有します。
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トランスクリプト
こんにちは、Restek Tipへようこそ。ここでは、QuEChERS抽出塩の選び方についてお話しします。この素晴らしいQuEChERS法を試すことになった場合、何が必要かを探すことから始めると思います。そしてまず最初に知るのは、抽出塩を使ったメソッドが3種類あることです。まずはオリジナルのメソッド、そしてこのオリジナルの改定版である2つのメソッド、つまり、EN法とAOAC法があります。この2つは、メソッドを公開した団体にちなんで名付けられました。
では、どれを選んだらよいのでしょうか?2つの選択肢のどちらか、すなわち改定版とオリジナルのメソッドを理解するためには、この2つの違いを理解する必要があります。オリジナルのメソッドは、「非緩衝法」とも呼ばれています。どういう意味かを説明しましょう。「非緩衝」であるということは、最終的なサンプルのpHがほとんど完全に試料(対象物)そのものによって決まるということです。つまり「なるようにしかならない」ということです。
これと反対に、2つの改定版のメソッド、EN法とAOAC法はどちらも「緩衝法」です。つまり、ほとんどの農薬に対して極めて安定なpH範囲にもっていくことを目的として塩が加えられています。そしてそれは、AOAC法ではpH5を少し下回るくらい、EN法ではpH5-5.5程度です。
では、どのメソッドを選ぶべきでしょうか?最終的なサンプルのpHに関わらず、安定している農薬を扱う場合には、オリジナルのメソッドが最適でしょう。ほとんどの農薬とほとんどのマトリックスが当てはまります。ただし、実際のサンプル自体のpHが原因で化合物の安定性が懸念される場合には、緩衝法のいずれかが適したものになるでしょうし、どちらを使っても分析目的に適した選択と言えるでしょう。
という事で、この次のQuEChERS抽出がうまくいくことを祈っています。Restek Tipをご覧いただきありがとうございました。

