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PFAS分析用固相抽出(SPE)前処理の自動化|PromoChrom SPE-03とResprep PFASカートリッジで前処理を効率化

30 Mar 2026

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Key Highlights

  • PromoChrom SPE-03システムにより固相抽出(SPE)を自動化し、PFAS分析のワークフローをシンプルかつ効率的に運用できます。
  • フィルターエイド(ろ過助剤)入り固相抽出 Resprep PFASカートリッジにより、精度と信頼性に優れた分析結果が得られます。
  • 充填済みフィルターエイドが目詰まりおよび再抽出の手間を防ぎ、時間短縮と省力化につながります。

はじめに:PFAS分析における前処理 固相抽出(SPE)の役割~自動化へ

環境分析ラボにとって、固相抽出(SPE)はPFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)分析の要といえる前処理技術です。ほとんどのEPAメソッドやASTMメソッドでもSPEの使用が規定されており、現場への普及度は高い状況にあります。

SPEはスチレン-ジビニルベンゼン(SDVB)系または弱アニオン交換(WAX)系のカートリッジを用いているので、溶媒を大量に消費する分液ロートや連続した液-液抽出といった手法を使わずに、水性マトリックスからPFAS化合物を効率的に抽出可能です。また、固体マトリックスにおいても、溶媒抽出と水交換を組み合わせることで対応が可能です。従来、SPEはバキュームマニホールドで手動操作されてきましたが、システムの自動化が進んでいるため、作業効率が大幅に向上してきています。

バキュームマニホールドからの脱却:PFAS分析のSPE自動化

多くのメソッドでは、バキュームマニホールドを使用した手動SPEが想定されています。ほとんどのメソッドにおいて自動SPEについては「使用可能」と言及される程度ですが、それは装置間の互換性がないため、具体的な実装方法が明記できないからです。そのため、自動SPEの導入方法と、使用するカートリッジのメソッド適合性は各ラボで確認しなければなりません。

以前の研究では、フィルターエイド入りの二層式Resprep PFAS SPEカートリッジ (cat.# 28931) がThermo AutoTrace 280 PFASシステムで良好な結果を示すことが実証されています[1]。このカートリッジは、カーボン層とWAX層を組み合わせた二層構造(デュアルベッド)を採用しているため、WAXカートリッジとカーボンカートリッジを別々に使用する場合と比べて、ワークフローをよりシンプルかつ迅速に完了できます。さらに、フィルターエイドは出荷時に充填済みのため、懸濁物質が多く含まれるサンプルでも目詰まりを防ぎ、1回の抽出で前処理が完了します。

今回の研究で、Resprep PFAS SPEカートリッジと複数の競合他社製デュアルベッドカートリッジ、および単層WAX専用カートリッジとの性能比較を行いました。自動化に使用したのはPromoChrom社のSPE-03システムで、これは以前の研究で使用したものとは異なります。このシステムは、プログラム可能な統合インターフェース、ボトルリンス機能、そしてコンパクトな設置面積といった利便性を備えています。今回の研究目的は2つです。①SPE-03装置との互換性確認とパラメータの確立、②各カートリッジの性能比較です。

自動化ワークフローへのメソッド移管

PFAS分析のSPEを自動化する際にまず課題となるのは、メソッドに記載されたバキュームマニホールドの操作手順をSPE装置に変換することです。多くの装置では、SPEプロセスをステップごとに詳細に記述する必要があるため、バキュームマニホールドを使う場合よりも手順が複雑に見えることがあります。しかし、メソッドの各ステップの意味を理解してしまえば、自動化メソッドへの移行は比較的スムーズに進められます。本研究で使用したPromoChromメソッドのパラメータをTable Iに示します。

Table I: PFAS分析SPE自動化のためのPromoChrom SPE-03パラメータ (EPA Method 1633準拠)

作業 Inlet 1
(溶媒/サンプル)
Inlet 2
(エア比率)
流速(mL/min) 容量 (mL) 時間
Waste 2に溶出 1% アンモニア含有メタノール   8 15  
Waste 1に溶出 0.3 M ギ酸水溶液   8 5  
サンプルをWaste 1に添加 サンプル   5 560  
洗浄 20% 70 2.5  
サンプルをWaste 1に添加 サンプル   5 5  
洗浄 20% 70 5  
サンプルをWaste 1に添加 サンプル   5 5  
洗浄 20% 70 5  
サンプルをWaste 1に添加 サンプル   5 5  
振とう         20 秒
洗浄 1:1 0.1 M formic acid:methanol 20% 70 1.3  
サンプルをWaste 1に添加 サンプル   5 3  
洗浄 1:1 0.1 M ギ酸:メタノール 20% 70 5  
サンプルをWaste 2に添加 サンプル   5 5  
振とう         20 秒
Waste 2へエアパージ エア   5 3  
サンプルをWaste 2に添加 サンプル   5 5  
窒素ブロー         1 分
洗浄 1% アンモニア含有メタノール 20% 70 1.3  
容器1に回収 サンプル   5 3  
洗浄 1% アンモニア含有メタノール 20% 70 5  
容器1に回収 サンプル   5 5  
振とう         10 秒
容器1に回収 サンプル   5 5  
待機         1 分

精度と再現性の評価

PromoChromシステムを用いた自動SPEにおいて、カートリッジの性能を評価しました。サンプルには、脱イオン水にPFAS 28成分混合標準液 (cat.# 30734) を5 ng/Lで添加したものを使用しました。SPEプロセス自体の正確な回収率を測定するため、抽出用の内標準物質は使用していません。評価対象は以下の3種類です。Figure 1に、各カートリッジの平均回収率を示します。

  • Resprep WAXポリマーSPEカートリッジ (cat.# 28268)
  • 固相抽出Resprep PFASカートリッジ|フィルターエイド入り(cat.# 28931)
  • 競合他社3社製のデュアルベッドカートリッジ(WAX/カーボン)
Figure 1: PromoChrom SPE-03を用いた5 ng/L添加サンプルの平均回収率
recoveries bar chart

回収率については、ほとんどのPFAS化合物でカートリッジ間での違いは確認されませんでした。ただし、溶出が遅いいくつかの長鎖PFAS化合物に関しては傾向が異なります。WAX専用カートリッジはすべてのWAX/カーボンデュアルベッドカートリッジを上回る回収率を示しており、これはカーボン層が長鎖PFAS化合物をより強く保持していることを示しています。競合社3(Figure 1 のCompetitor 3)については特に顕著で、一部の化合物では40%未満という低い回収率となりました。

Figure 2に、各カートリッジの再現性を示します。全体として、RestekのカートリッジはほとんどのPFAS化合物で%RSD 15%を大きく下回り、競合他社製品より良好な結果を示しました。溶出が遅い化合物ほど%RSDはわずかに上昇する傾向が見られますが、これもカーボン層による保持が影響していると考えられます。競合社3(Figure 2 のCompetitor 3)については、Figure 1に示した低い回収率に加えて、ここでも大きなばらつきを示す結果となりました。全PFASを対象とした平均回収率と再現性はTable IIをご参照ください。

Figure 2: PromoChrom SPE-03を用いた5 ng/L添加サンプルの再現性
precision bar chart

Table II: 全対象PFAS化合物の平均回収率と再現性

SPEカートリッジ 平均回収率 平均 %RSD
Resprep polymeric (WAXのみ) 102.2% 5.8%
Resprep PFAS + Filter Aid (WAX/カーボン) 99.6% 7.9%
Competitor 1 (WAX/カーボン) 98.7% 9.0%
Competitor 2 (WAX/カーボン) 87.7% 10.0%
Competitor 3 (WAX/カーボン) 75.7% 15.3%

まとめ 

Resprep WAXおよびWAX/カーボンSPEカートリッジは、代表的な自動化されたSPEシステムとの互換性が確認されました。これにより、PFAS分析のSPE自動化を検討しているラボは、サンプル前処理をスムーズに効率化できます。また、フィルターエイド入りResprep PFAS SPEカートリッジは、他社製デュアルベッドカートリッジと比較しても同等以上の精度・再現性が得られ、信頼性の高い分析データを提供します。また、フィルターエイドがあらかじめ充填されているため、カートリッジの目詰まりが起こりにくく、再抽出の必要がないため、分析時間を大幅に短縮できます。

謝辞

本研究のSPE自動化評価にあたり、PromoChrom SPE-03システムをご提供いただいたMaryland Spectral Services社(https://www.mdspectral.com/) に感謝申し上げます。

参照文献

1. J. Hoisington, 非飲料水のPFAS分析:簡略化されたSPE, Application note EVAN4369-, Restek Corporation, 2024. https://discover.restek.com/ja/application-notes-ja/evan4369-ja/simplified-spe-for-pfas-analysis-of-non-potable-waters-japan

この記事で紹介した製品


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著者 / 執筆者

  • Jason Hoisington

    Jason Hoisington received his bachelor’s degree in general science with a focus on chemistry from the University of Alaska, Fairbanks. He worked for SGS Environmental for seven years in environmental soil and water testing, developing methods for the analysis of volatiles and semivolatile organics to include pesticides and polychlorinated biphenyls (PCBs). In 2012, Jason moved on to lab and application support for Dow Chemical Company, providing advanced analytical troubleshooting and method development. In 2019, Jason joined Restek and has focused on air applications.

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  • Diego López
EVAR5645-JA