技術資料

標準品のコスト削減とデータ品質を両立する仕組み

23 Oct 2020

Restekが製造する標準品とCRM

スタンディングオーダー(継続発注)とは、カスタム標準品を一定期間・一定間隔で継続的に供給してもらう発注方式です。年間を通じて同じ標準品を使い続けるラボにとっては、単価の引き下げ、ロット間差の低減、納期遅延の回避を同時に実現できる手段になります。

スタンディングオーダーで得られる主なメリット

カスタム標準品を都度発注していると、毎回の注文ごとに製造・在庫管理コストがかかり、ロットが変わるたびにデータのばらつきが生じるリスクもあります。あらかじめ年間の使用量が分かっている場合は、スタンディングオーダーによって次のようなメリットが得られます。

  • 分析1件あたりのコストを大きく引き下げられる
  • ロット間差を抑え、データのばらつきを最小化できる
  • 製造・納期の遅延リスクを減らせる
  • 一次/二次ソースの要件にも対応しやすい
  • 経理処理をシンプルにできる
  • 事業の変化に応じて発注内容を柔軟に調整できる

コストを大きく下げられる仕組み

最小標準バッチ量のイメージ

カスタム標準品は1件ごとに、品質と精度を確保するための最小標準バッチ量が設定されています。これは経験豊富な化学者が算出した量で、一度限りの注文であっても、12か月のスタンディングオーダーであっても、同じ最小バッチ量で製造されます。そのため、最小注文単位である3アンプルをはるかに超える量が製造されることがほとんどで、ラボによっては年間使用量をこの1バッチで十分にまかなえるケースもあります。

最小バッチ量のコストが最終価格に反映される仕組み

この最小バッチ量の製造コストは、標準品の最終価格に含まれています。つまり、同じバッチから使用するアンプル数が多いほど、1アンプルあたりの単価は下がります。

都度発注とスタンディングオーダーのコスト比較例

例えば、10化合物のPAH/農薬混合標準品を月3アンプルずつ、合計30アンプル使用するケースを考えてみます。この場合、スタンディングオーダーとして30アンプル分をまとめて手配すれば、最小標準バッチ量は変わらないため、材料費・作業費は3アンプルのみを発注した場合とほぼ同じで済みます。一方、同じ月3アンプルを10回に分けて都度発注すると、そのたびに最小バッチ量分のコストが発生するため、同じ30アンプルを同じ間隔で受け取るにもかかわらず、合計コストが約10倍になることがあります。

スタンディングオーダーによるコスト分散のイメージ

スタンディングオーダーを組むことで、この最小標準バッチ量をより多くのアンプルに配分できるため、材料費・作業費が広く分散され、1アンプルあたりのコストを大幅に下げられます。

データのばらつきを最小化する

スタンディングオーダーでは、年間使用量をできる限り少ない回数のバッチで製造します。多くの場合は単一バッチでの製造となるため、コストが下がるだけでなく、同一ソースに由来するデータの一貫性も高まり、出荷ごとのばらつきが少なくなります。

製造・納期の遅延リスクを減らす

カスタム標準品は、予定された出荷スケジュールに合わせてあらかじめ製造・在庫され、必要なタイミングで届きます。これにより、標準品の期限切れによる廃棄を避けられるほか、標準品が届かないことによる装置の稼働停止リスクも大きく減らせます。

一次/二次ソースの要件にも柔軟に対応

カスタム標準品は、独立した2ロットとして発注することも可能です。これにより、校正用と確認用の標準品を単一の供給元からまとめて調達できます。さらに、異なる原材料ロット・異なる仕入先を用いてそれぞれ独立に製造することも可能なため、より厳格な二次ソース要件にも対応できます。

経理処理をシンプルにする

スタンディングオーダーでは、出荷のタイミングでのみ請求が発生するため、ラボの月ごとの支出管理がしやすくなります。また、毎月・隔月の発注や、その都度の購買申請・発注書・請求書のやり取りが不要になり、手元に保管するアンプル数が減ることで在庫管理・保管コストも抑えられます。

事業の変化にあわせて柔軟に調整

スタンディングオーダーを設定した後で使用条件が変わった場合でも問題ありません。出荷スケジュールの変更は、Restekへの連絡だけで対応できます。

カスタム標準品のスタンディングオーダーについては、Restekカスタマーサービスまたは担当の営業窓口までお問い合わせください。

本記事のスタンディングオーダーに関する情報は、PDF版でもご確認いただけます。

必要な情報をすぐに見つけるには

標準品の検索、各種証明書・データのダウンロード、クロマトグラムの確認は、以下のツールからいつでも行えます。

  • 標準品を探す: 標準品検索ページはこちら
    1,500種以上の在庫標準品を検索・絞り込みし、そのまま注文できます。
    検索条件:化合物名/CAS番号
    カスタム標準品の見積もりが必要な場合も、こちらのフォームから依頼できます。
  • 各種証明書・データを探す: 書類検索ページはこちら
    SDS、証明書(COA)、データパックなどをダウンロードできます。
    検索条件:カタログ番号/ロット番号
  • クロマトグラムを探す: クロマトグラムライブラリはこちら
    豊富なクロマトグラムライブラリを検索できます。
    検索条件:化合物名/シノニム/CAS番号/Restekまたは他社のカラム名/カタログ番号/キーワード/化合物クラス

よくある質問

スタンディングオーダーと通常の都度発注は何が違いますか?

都度発注では注文のたびに最小標準バッチ量分のコストがかかりますが、スタンディングオーダーでは同じバッチから複数回分をまとめて手配するため、1アンプルあたりのコストを抑えられます。また、単一バッチで製造されることが多いため、ロット間のデータのばらつきも小さくなります。

最小の発注ロットはどのくらいですか?

カスタム標準品の最小注文単位は3アンプルです。年間の使用量が見込める場合は、この最小単位を超える数量をスタンディングオーダーとして設定することで、単価を下げられます。

途中で数量や出荷スケジュールを変更できますか?

可能です。使用条件が変わった場合は、Restekに連絡することで出荷スケジュールや数量を調整できます。

請求(インボイス)はどのタイミングで発生しますか?

スタンディングオーダーでは、製品が出荷されるタイミングでのみ請求が発生します。毎月・隔月ごとの個別発注や購買申請の手続きは不要です。

GNSS1341-JA
バージョン C