Key Highlights
Introduction|導入
多環芳香族炭化水素(PAH)およびポリ塩化ビフェニル(PCB)は、環境中で高い残留性を示す汚染物質であり、生態系および人への健康影響の観点から厳重に監視されています。ルーチン分析には GC-MS が広く用いられており、PAHとPCBを同時に分析可能なスクリーニングメソッドを構築することで、分析ラボは生産性向上や試料当たりのコスト削減を実現できます。
PAHとPCBを同時に分析する場合、PCB 28/31の分離のために「XLB-type」カラムが使用されることがあります。しかし、XLBタイプが有するカラム選択性では一部のPAHの分離が損なわれる傾向があります。一方、「5系」カラムは異なる選択性を示すため、PAHとPCBの双方を一括で扱うメソッドに適した固定相となります。
本稿で紹介する高速GC-MSメソッドは、PAHとPCBを20分以内で同時分析できるよう設計されており、それぞれの汚染物質に対して優れた分離を提供します。
MX-5Sil MSが選ばれる理由
このメソッドには RMX-5Sil MS カラムを使用しました。RMX-5Sil MS は、標準的な「5Sil」選択性に、Restekが新たに開発したTriMax不活性化処理を組み合わせたカラムであり、極めて高い不活性度を有します。
Figure 1に示されるように、20分未満の高速分析であっても、PAHおよびPCBそれぞれのターゲット成分に対して優れたピーク形状と分離が得られました。特に、benz[a]anthracene、chrysene、PCB 180は通常は3つのピーク(トリプレット)として溶出する、分離が難しい成分ですが、RMX-5Sil MSカラムではUSP基準(Rs ≥ 1.5)でのベースライン分離が達成されました。
また、カラム性能の一貫性を評価するため、1 ng on-columnの条件で100回の連続注入試験を実施しました。その結果、テーリングの%RSDは3.9–6.6%、保持時間の%RSDは0.01–0.02%と、極めて安定した性能が確認されました。この結果は、TriMax不活性化処理により、PAH/PCB分析において高い再現性が確保できることを示しています。
なお、本稿で示した化合物はPAH/PCBのすべてではありませんが、RestekのPro EZGC Chromatogram Modelerを用いることで、任意の化合物リストに合わせた条件最適化が可能です。
Figure 1:RMX-5Sil MS による PAH & PCB 同時分析のクロマトグラムー良好なピーク形状と分離を達成(PDFをダウンロードいただくとピークテーブルと分析条件を一緒にご覧いただけます。)
ピークテーブル







