技術資料

認証標準物質(CRM)とは|ISO17034の基礎知識

24 Apr 2026

feature GNBR1845

認証標準物質(Certified Reference Material:CRM)は、分析機器の校正や分析法の妥当性確認、精度管理に使用される、国際規格に基づいて値付けされた標準物質です。ISO 17034などの規格に基づいて製造・認証されており、測定値のトレーサビリティと不確かさが保証されています。本記事では、CRMの基礎知識とISO認証との関係を確認したうえで、RestekのISO認定標準溶液が分析の信頼性をどのように支えているかをご紹介します。

標準物質(RM)とCRMの違い

単に「標準物質(Reference Material:RM)」と呼ばれるものは、認証されていないものも含む上位概念です。一方、認証標準物質(Certified Reference Material:CRM)は、認証された特性値、その測定不確かさ、および計量学的トレーサビリティが認証書に記載された標準物質です。したがって、RMとCRMの主な違いは、認証の有無と、それに伴う認証された特性値・不確かさ・トレーサビリティが保証されている点にあります。

Restek標準溶液を選ぶべき3つの理由

Restekは分析者が立ち上げ、分析者とともに歩んできました。原料の調達・検証・保管から標準溶液の混合まで、手間のかかる作業はRestekの専門家チームにお任せください。ISO認定の品質、証明書類への簡単アクセス、幅広いカスタム対応――分析ワークフローに必要なものがすべて揃っています。

「UKASアクレディテーション取得ラボでは、分析標準溶液にISO 17034とISO 17025の認定が必要です。Restekの分析標準溶液を使用しているのは、各標準溶液に付属する分析証明書に明確に記載されているとおり、これらの要件を満たしているためです。各成分の認証基準値も証明書に含まれています。」

― David Bowen, Chemistry Supervisor (Organics)—Terra Tek Limited

ISO認定の品質

Restekの認証標準物質(CRM)は、ISO 17034およびISO/IEC 17025に基づく厳格な基準を満たした標準溶液です。

ISO認定のマーク
  • 適格な機器の適格な方法で特性が決定された原材料を使用
  • 文書化された手順に基づき、ISO認定施設で製造
  • 製造者の認定範囲内に該当

Restekが製造するカタログ掲載の標準溶液(単品、多成分混合品ともに)の98%以上が認証標準物質(CRM)です。RestekはISO 9001登録を1994年から維持しています。つまり、ほぼすべてのカタログ掲載標準溶液が、国際標準化機構(ISO)が定める世界水準の品質基準のもとで製造・品質管理されていることが公式に認められています。ISO要件の有無にかかわらず、Restek CRMの性能・信頼性・一貫性はあらゆるラボの分析を支えます。

RestekのISO品質認証についての詳細および認証(認定範囲を含みます)はwww.restek.com/isoをご参照ください。

証明書類への簡単アクセス

ラボの数だけ、ニーズがある――Restekは完全にISOに準拠した3つのレベルの分析証明書で様々なニーズに応えます。

CRMの分析証明書3種類の解説図
  • 分析証明書 – Gravimetric(重量記録)には、すべての原材料情報、ロット番号と純度、異性体化合物の異性体比、および計算された濃度が記載されています。また、認証標準物質(CRM)については、関連する不確かさも記載されます。
  • 分析証明書 – Chromatographic(組成確認のクロマトグラム付き)には、すべての原材料情報、ロット番号と純度、異性体化合物の異性体比、および計算された濃度が記載されています。また、CRMについては関連する不確かさも記載されます。さらに、パッケージユニットから1つを抜き取り、混合物の組成を確認するために適切な手法でテストします。各ピークが同定されたこの標準物質のクロマトグラムは証明書に含まれています。
  • 分析証明書 – Chromatographic Plus(n=3・ロット間統計比較が追加)には、すべての原材料情報、ロット番号と純度、異性体化合物の異性体比、および計算された濃度が記載されています。CRMについては関連する不確かさも記載されます。さらに、パッケージユニットのうち1つはn=3で分析され、そのピーク面積値は統計的に別ロットと比較されます。この別ロットは、その前のロットがある場合は前のロット、または新しく生産された独立した2番目のロットとなります。各ピークが同定されたこの標準物質のクロマトグラムは証明書に含まれています。Restekのすべてのカタログ品およびカスタム品の標準物質に関する、製品証明書、定量アッセイデータと統計値、標準物質バッチレコードを含む詳細なデータパックは、「SDS、COA、データパックの検索」から入手可能です。

証明書類と安全データシート(SDS)はRestekのサーバーでデジタル管理されており、カタログ品・カスタム品を問わずいつでもどこからでも閲覧できます。カタログ品のSDSは複数言語で自動作成されるほか、カスタム標準溶液の多言語翻訳もリクエスト可能です。書類ファイルや保管箱はもう不要――インターネット接続さえあれば、必要な情報にすぐアクセスできます。なお、カスタム標準溶液の証明書閲覧にはロット番号が必要なため、情報のセキュリティも確保されています。

さらに、すべてのRestek標準溶液にはQRコードが付いており、アンプル収納チューブのラベルをスキャンするだけで、該当製品・ロット番号の分析証明書にRestek.com上から直接アクセスできます。GHS対応ラベルに採用した大きなピクトグラムはラボの安全意識を高め、OSHA・CLP・その他の規制要件への準拠にも貢献します。

カタログ品・カスタム品を含むすべてのRestek標準溶液の証明書類は「SDS、COA、データパックの検索」からご確認いただけます。

標準溶液の品質を支える10の重要ステップ

在庫しているカタログ品でも、オーダーメイドのカスタム品でも、品質を左右する重要なステップが製造工程には10あります。「認証標準物質(CRM)の品質保証とは|10の重要項目で整理」から製造プロセスをご覧ください。

幅広いカスタム対応

Restekでは毎月200件以上の新規カスタムリファレンススタンダードを開発しています。出荷されるアンプルの1/3以上がカスタム品ですが、そのほぼすべてがCRMです。一部のメーカーとは異なり、RestekのISOアクレジテーション範囲はカタログ品だけでなくカスタム品にも適用されます。つまり、オーダーメイドのカスタムリファレンススタンダードでも、カタログ品と変わらない品質・安定性・信頼性が保証されます。

すべてのカスタム注文は経験豊富な調製ケミストチームが審査し、実現可能性の確認から化学的適合性のアドバイス、最適な調製方法の提案まで丁寧に対応します。お客様の仕様に合わせた柔軟なカスタム対応と、CRMとしての確かな品質――その両方をRestekは提供しています。

「他では入手が難しい分析標準溶液や混合試料を幅広く揃えているRestekのおかげで、私たちは結果をいち早く届けてほしいというお客様の期待に、ほとんどの場合それ以上の形で応えることができています。」

― Neil Donovan, Environmental Forensics Manager/i2 Analytical Ltd

待ち時間短縮とコスト削減を同時に実現したいなら、「カスタム製品リクエストフォーム」から今すぐカスタムリファレンススタンダードの見積りを!

ISO認定を支える製造・品質管理体制

1990年代、分析ラボはCLP(Contract Laboratory Program)・EPA分析法・環境モニタリング要件という厳格化する基準に対応できる標準溶液の供給元を探していました。当時、満足できる選択肢がなかったため、自社で標準溶液ラボを立ち上げることにしました。以来、グローバルなお客様のニーズに応えるべく製造能力を継続的に拡大し、新たな分析ニーズへの対応を続けています。

Restekラボのケミスト

最先端の施設

Restek本社(ペンシルべニア州ベルフォンテ)にあるラボはISO認定を取得し、人員の安全確保と標準溶液の品質維持を両立する環境管理システムとウェブベースのモニタリングシステムを完備しています。2008年にゼロから新設し、2014年にはラボスペースを33%拡張しました。この拡充により業務効率とクロストレーニングの体制が強化され、ベンチケミストの専門性向上、スループットの改善、コスト削減が実現しました。より高品質な製品を、より迅速かつ低コストでお届けできる体制が整っています。

ヒューマンエラーを排除する製造体制

調製から製造、試験、証明書類の発行まで、Restekの製造プロセスは全工程が自動化されています。手入力によるヒューマンエラーが入り込む余地はありません。

  • 計算・入力ミスに起因するロット差のリスクを排除するため、すべての原材料はバーコードで管理されています。4,200種以上の原料を複数ロット管理する際にも、担当者による計算や手入力は発生しません。
  • 秤量ミスによる濃度のばらつきも起こりません。ラベルをスキャンするだけで、独自システムが重量を計算し、混合溶液に必要な正確な量を検証・移送します。
  • 証明書の記載ミスや作成漏れの心配もありません。新しいバッチを製造するたびに、データパックビルダーが証明書類を自動生成する仕組みになっています。

ロット差・純度のばらつきをなくす開発プロセス

Restekカタログに掲載されるすべての標準溶液は、実現可能性・安定性・スケールアップ・実用化という4つのステージゲートを経て製品化されます。いずれかの段階で問題が生じた場合は、解決するまで開発を止めています。

原料の供給不足や市場での純度問題に左右されないよう、高純度原料の自社合成体制も整えました。また、世界各地の法規制動向を注視しながらお客様と積極的に対話することで、次に市場が必要とする標準溶液をいち早く見極めています。

化合物と濃度の組み合わせ次第で、再現性や安定性は大きく変わります。この設計を任せられるのは、30年以上・50,000バッチ以上の実績を積んだベテランケミストだけです。

「品質と信頼性を重視してRestek標準溶液を選びました。製造プロセスの確かさ、網羅的な製品試験、そして何より専門知識の深さ――いずれも群を抜いていたからです。公的機関ラボとして求められる厳しい品質基準と規制要件に対しても、Restek標準溶液の安定性は期待に応えてくれています。」

― Vincent Gohier, Hydrological Department Manager/Organic Micropollutants Laboratoire Départemental d'Analyses de la Corrèze

受入から出荷まで一貫した品質管理

Restekでは仕入先の純度証明をそのまま採用しません。品質管理(QC)ラボが受入原料を徹底的に評価し、混合物成分と溶媒の化学同定と純度を独自に確認します。純度が99%未満の場合は必ず重量補正しています。

調製されたすべての製剤は、調製担当者とは別のケミストが精度・適合性・溶解性を詳細にレビューします。製造中も化合物の適合性を継続的に確認するほか、信頼性の高い有効期限を保証するための長期安定性試験も継続的に実施しています。

必要な標準溶液の効率的な見つけ方

特定の化合物や校正用混合標準溶液をお探しですか? Reference Standard Finderを使えば、化合物名やCAS番号で検索したり、化合物リストを貼り付けたりして、濃度・溶媒・混合タイプで絞り込むことができます。数分で使用可能な標準溶液を特定し、製品ページへの直接リンクから注文できます。

スムーズな運用を支える工夫

欠品・期限切れを防ぐ在庫管理

必要な時に在庫がない、有効期限切れの製品が届く――そうした事態を避けるため、1,500以上のカタログ品と、最も一般的なキャリブレーションスタンダードの複数ロットを継続的に分析・管理しています。有効期限が近づいた標準溶液は数か月前に在庫から外しているため、期限切れやそれに近い製品が誤って納品されることもありません。サイトに掲載されているカタログ品は、必要な時にすぐご提供できるようすべて在庫しています。

定期注文で実現するコスト削減・品質向上・業務効率化

継続的に使用する標準溶液があるなら、定期注文(ブランケット注文)の活用をお勧めします。データ品質の向上、業務の効率化、そしてコスト削減――Restekカスタムリファレンススタンダードの継続注文(参照:標準品のコスト削減とデータ品質を両立する仕組み)が、そのすべてに応えます。

Restek標準溶液のアンプルとセーフクラッカー

アンプルに込めた使いやすさと安全性へのこだわり

アンプルに2枚重ねて貼り付けられたバイアル用とノート用のラベルは、必要なときに簡単に剥がして使える、紛失しにくく使いやすい仕様です。両ラベルに記載された取り扱い手順が、移送前後の品質維持に役立ちます。5 mL未満の標準溶液(カタログ品)には移し替え用に不活性化処理されたスクリューバイアルが付属しています。また、すべての注文にはセーフクラッカー(アンプル安全開封ツール:無料)も同梱しています。

Restek標準溶液を、分析ワークフローの礎に

Restek標準溶液は、確かな分析の礎となります。あなたのデータとそれを拠り所とするすべての方に、確かな品質をお届けするRestek標準溶液を是非お試しください。Reference Standard Finderで必要な標準溶液を今すぐお探しいただけます。

よくある質問(FAQ)

認証標準物質(CRM)とは何ですか?

認証標準物質(CRM)とは、ISO 17034などの規格に基づいて製造・認証された標準物質です。分析機器の校正や分析法の妥当性確認に使用され、測定値のトレーサビリティと不確かさが保証されています。

なぜ標準物質・CRMが分析に必要なのですか?

環境、石油製品、医薬品、食品など分析分野を問わず、標準物質は分析対象成分の同定とメソッドバリデーションに使用されます。信頼性の高い標準物質・認証標準物質(CRM)なしに、分析結果の妥当性を保証することはできません。

標準物質(RM)とCRMの違いは何ですか?

主な違いは認証の有無です。CRMは認証を取得した機関が値付けと不確かさの保証を伴いますが、RMはそうした認証書を伴わない場合があります。

RestekのCRMはISO認定を受けていますか?

はい。RestekのCRMは、ISO 17034およびISO/IEC 17025に基づく厳格な基準を満たしており、Restekが製造するカタログ掲載標準溶液の98%以上が認証標準物質(CRM)です。

カスタム標準溶液もCRMとして製造できますか?

はい。RestekのISOアクレジテーション範囲はカタログ品だけでなくカスタム品にも適用されており、毎月200件以上の新規カスタムリファレンススタンダードが開発されています。

標準溶液の証明書類やSDSはどこで確認できますか?

「SDS、COA、データパックの検索」ページから、カタログ品・カスタム品を問わずすべてのRestek標準溶液の証明書類を確認できます。

ご不明な点はFAQをご覧いただくか、テクニカルサービスチームまでお問い合わせください!

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著者 / 執筆者

GNBR1845-JA
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