GCやガスラインに生じるリークは、ごくわずかな量であっても見過ごせません。検出感度の低下やサンプルのロス、高純度ガスの損失を招くだけでなく、カラムや装置を損傷させたり、サンプルを汚染したりすることもあります。この動画では、Restekリークディテクタを使ったリークチェックとメンテナンスのポイントを、実際の確認箇所に沿って簡単にまとめています。
トランスクリプト
この動画でわかること
動画の内容を、リークが起きやすい箇所ごとに整理しました。まず、リークチェックを行うべき基本タイミングは次のとおりです。
- 毎日のルーティン点検:装置とガス供給システムを良好な状態に保つため、毎日リークチェックを行います。
- 新しいカラムやフィッティングの取付け後:接続部を確実に密閉できているか確認します。
- ガスシリンダー交換後:レギュレーターやマニホールド周辺も忘れずに確認します。
- トラブルシューティング時:想定外の感度低下やベースラインの乱れが見られたときに実施します。
セプタムと注入口
セプタムはリークが発生しやすい箇所のひとつです。リークが確認された場合は、セプタムを交換してください。日頃から定期的に点検しておくと、セプタムがどの程度の期間で劣化するかの目安がつかめるため、リークが発生する前に計画的な交換ができ、予期せぬダウンタイムを防げます。
セプタムとライナーを交換した際、セプタムナットや注入口ウェルドメントの締め付け方が不適切だと、この箇所からリークが発生します。リークが見つかった場合は、いったん緩めてから正しく締め直してください。また、注入口ウェルドメントを頻繁に動かすと、ガスラインの周りの溶接部に亀裂が入ることがあります。リークは、こうした亀裂の発生を示すサインでもあるため、ウェルドメントの交換が必要かどうかを確認してください。
カラムナット・リデューシングナット(異径ナット)・検出器ナット
注入口下部――特にリデューシングナット(異径ナット)、カラムナット、検出器ナット周辺は、リークが起きやすい箇所です。温度サイクルを繰り返すうちに、締め付けが不十分なナットは緩んでくることがあります。また、フェラル(特にVespelとグラファイトの混合フェラル)は、初回の加熱サイクル後にわずかに収縮し、これもリークの原因になります。
カラムナット、リデューシングナット、その他のねじ接続部でリークが発生した場合は、まずナットをしっかりと締め直してください。締め付け後は再度確認し、リークが解消されていることを確かめます。カラムコネクタは、取付け直後にリークがなくても使用中に発生することがあるため、定期的な確認が欠かせません。リークが見つかった場合は、再取付けが必要になることもあります。
FIDやTCDなど大気圧検出器のナットも、締め付けが不十分な場合や、設置中にカラムが破損した場合にリークが発生することがあります。
MSD(質量分析検出器)のリーク確認
MSDのナットをチェックする際は、リークディテクタの使用はお勧めしません。真空によってリークガスが装置内に引き込まれてしまうため、正しくリークを検出できません。MSDのリークは、エア/ウォーターチェックを実施して確認してください。
バルブ・ガスライン・ガスシリンダー周辺
バルブの可動部品は、経年劣化や摩耗によりリークの原因となることがあり、交換が必要になる場合もあります。新しいガスラインを取り付けたときや、ガスフィルターを交換したときは、必ずシステムを加圧してリークがないか確認してください。ガスフィルターのコンプレッションフィッティングにリークが確認された場合は、フィッティングの状態を確認したうえで適切に締め付けてください。その後も、シールやフィッティング周辺を定期的に確認することが大切です。
リークは、GC本体の近くだけで発生するとは限りません。ガスシリンダーを交換した後は、レギュレーター周辺も確認してください。マニホールドの点検も忘れずに行いましょう。
リークディテクタの仕様(参考情報)
リークディテクタは、GCの継手やシール部から漏れ出すガスを検知する装置です。プローブで疑わしい箇所をなぞるだけで、空気とは熱伝導率の異なるガス(ヘリウム、水素、窒素、アルゴン、二酸化炭素など)を検知し、LED表示と音でリークの有無を知らせます。石鹸水などの液体式リークチェック剤は、液体がシステム内に引き込まれて汚染や新たなリークの原因になることがあるため、GCシステムでは電子式のリークディテクタを使用してください。
検出したガスの種類はLEDの色で区別されます。ヘリウムと水素は赤色LED、窒素・アルゴン・二酸化炭素は黄色LEDで表示され、微量のリークでも判別できます。なお、水素の検出は非可燃環境における微量リークの確認を目的としたものであり、可燃環境下でのリーク検出には対応していません。可燃性ガスのリーク確認には、可燃性ガス専用の検知器を使用してください。
リークチェックの手順とツールの詳細は、Restekリークディテクタ製品ページをご覧ください。GCカラムからのリークにお悩みの場合は、Integra-GuardおよびIntegra-Transferラインを搭載したRMX GCカラムもあわせてご検討ください。
よくある質問
GCのリークチェックはどのくらいの頻度で行うべきですか?
装置とガス供給システムのリークチェックは、毎日行うことをお勧めします。また、新しいカラムやフィッティングを取り付けたとき、ガスシリンダーを交換したとき、トラブルシューティングを行うときは、その都度リークチェックを行ってください。
リークディテクタと石鹸水(リークチェック液)は何が違いますか?
石鹸水などの液体式リークチェック剤は、液体がシステム内に引き込まれ、汚染や新たなリークの原因になることがあります。リークディテクタは非接触でガスの漏れを検出できるため、GCシステムでは電子式の使用をお勧めします。
MSD(質量分析検出器)のナット部分もリークディテクタでチェックできますか?
MSDのナットは、真空によって漏れたガスが引き込まれてしまうため、リークディテクタでは正しく検出できません。MSDのリークは、エア/ウォーターチェックで確認してください。
リークチェックはGC本体だけ確認すればよいですか?
いいえ。リークはGC本体の近くだけで発生するとは限りません。ガスシリンダーを交換した後はレギュレーター周辺、マニホールドも定期的に確認してください。
セプタムのリークに気づいたらどうすればよいですか?
セプタムを交換してください。日頃から定期的に点検しておくと、セプタムがどの程度の期間で劣化するかの目安がつかめるため、リークが発生する前に計画的な交換ができ、予期せぬダウンタイムを防げます。


